830万円
訪れたマンションの一室で出迎えてくれたのは今回築28年の中古マンションを購入してリフォームをしたA様ご夫婦、そしてご夫婦と一緒に暮らす猫ちゃん2匹です。
「物をあまり置かないミニマルな暮らしを目指している」と話すA様が選んだのは50㎡台のコンパクトなマンション。昔ながらの間取りで1つ1つの空間が狭かったという3DKの空間を見直し、1LDKにリフォームしました。
窓が多いリビングは光にあふれたとても明るい空間。さらにはリビングと隣り合う寝室の間仕切りに天井までの高さの3枚引き戸を採用したことで、ワンルームのような一体感と開放感を感じる広々とした空間となっています。
「仕切れて開放もできるというのが良かったです。戸を全て開ければリビングと寝室は仕切りなしの大きな空間ができるので気に入っています」
内装は白を基調に明るい色合いの木目を多く取り入れたシンプル&ナチュラルな空間。ブルーグリーンのキッチンとコーディネートした淡いグリーンのアクセントクロスが空間に柔らかさと彩りを添えてくれています。
以前のお住まいはダークブラウン基調のアジアンテイストな室内だったといいますが、「床が暗いと猫の爪痕など傷が目立つんですよね。部屋全体も暗くなるし。だから今回は白を基調にした明るい部屋にしようと思いました」
リビングに入るとまず目に飛び込んでくるのはリビング壁3方をぐるっと囲むキャットウォーク。巷でよく見かけるキャットウォークは壁に木製の棚板を付けるものですが、目の前で猫ちゃんが寝そべっているそれは、スタイリッシュなスチール製。これは担当者が地下駐車場で目にしてひらめいたアイディアで、その正体はなんと、高圧電流の配線を通すためのスチールラックだといいます。素材自体の耐久性が高い上に、天井スラブから吊るしているため、猫ちゃんがどんなに暴れても強度的に全く問題がないのだそう。
ただ、見慣れない素材のキャットウォークは、完成を見るまでどうなるかわからない不安もあったとA様は話します。
「大丈夫かなぁと最後まで心配していました。でもイメージよりもずっとよかったです。木製の板だと圧迫感が出てしまったと思うのですが、今回板の部分は透明の板を提案してもらったので圧迫感はほとんどありません」
担当者が「猫が歩く様子や肉球、おなかを下から覗けた方がいいだろう」と考え提案したという透明の板は天井のダウンライトの光を下に通してくれるため、明るさを遮られることもなく大正解だったそう。
「何より、この板のいいところは、ホームセンターでも売っている素材らしくて、板が汚くなったら取り換えられるんです。お手入れを考えると気軽に交換できた方がいいですよね」
キャットウォーク以外にも、愛猫と一緒に暮らすための配慮が至るところに感じられるA様邸。
例えば、キッチンはアイランドにして、窓から少し離して設置。そのスペースがちょうど猫ちゃんたちの通り道になっていて、2匹でキッチンの周りをぐるぐると追いかけっこして遊んでいるのだとか。水栓は通りかかる猫ちゃんに反応しないよう自動水栓にはせずにレバー式に。安全性を考えてコンロはIHを採用しました。「IHが冷たくて気持ちがいいらしく、よくトッププレートの上に寝っ転がっています」
ペットを飼うお家としては内装材の丈夫さやお掃除のしやすさも気になるところ。そのため、床には全体的にフローリング調のフロアタイルを選びました。傷や汚れが付きにくく、汚れても落としやすいのだとか。また、室内の段差を極力解消したことでロボット掃除機を使いやすいフラットな床面になりました。
ただ、憧れはありながらも猫ちゃんのことを考え今回のリフォームでは採用しなかったことも。
「キャットドアです。最初はリビングドアに猫用の出入り口を付けようかと考えていたんですけど、リビングと廊下を自由に行き来できてしまうと玄関を開けたタイミングでパッと外に出てしまう可能性もあるので諦めました。ちょっと憧れていたんですけどね」
コンパクトなすっきり住空間を目指すA様にとって、収納はとても大事な要素。
「“収納はここだけ!”と決めてしまえば、それ以上ものは持たないと思った」とのことで、細かい収納をたくさん設けるのではなく、収納場所をつくるスタイルを取りました。
特に奥様がこだわったのはキッチンのバックセット。壁一面を収納スペースにし、4枚扉で全てを隠せるようにしました。冷蔵庫さえも扉の中に収められているため、キッチン空間は余計な凹凸がなく本当にスッキリしています。
「キッチンは最初全然違う案だったんです」と奥様。「最初のプランではキッチンの位置は今の寝室側の想定だったし、アイランドタイプでもなかった。でも、私がキッチンの収納を全部隠せるようにしたいと要望したことで、それならいっそアイランドにしたいね。だったら位置もこちら側の方がいいよねと計画がどんどん変わっていきました」
また玄関収納もご夫婦のこだわりが感じられます。
コロナウイルス対策の観点からも、外から帰って上着やかばんを玄関で片づけたいという思いから、玄関収納は靴だけでなくコートなども掛けられるよう、ハンガーラックを設置。ポイントはラックの高さ。A様ご夫婦は奥様が小柄でご主人が大柄と身長差のあるカップル。そのため、ご主人が衣類を掛ける高い位置のものと奥様が掛ける低い位置のもの、2つの高さでラックを設置し、お2人ともが使いやすい収納となりました。眼鏡やマスク、除菌スプレーなども玄関に完備して、玄関先で身支度が完了します。
お住まいについて「使い勝手もいいし、すっきりして暮らしやすい」と話しながらも、「人よりも猫ファーストでつくっちゃった家」と表現するA様。当の猫ちゃんたちは、突然の来訪者に初めは警戒気味だったものの次第にリラックスした様子を見せ、居心地の良い家でのびのびと暮らしていることが伝わってきます。
「うちの子はほとんど爪とぎをしないんですよ。ノンストレスの猫ってあまり爪とぎをしないらしいです。それくらい、本当に自由にしていますね」
人もネコも自然体で暮らせる、快適なお住まいが完成したようです。
真四角の形状のお部屋でしたので、それを上手く活かせるようなレイアウトに配慮しました。メインとなったキャットウォークについては、地下駐車場の高圧電流の配線ラックからヒントを得たアイディアを採用いただきました。半透明の板もダウンライトの光を通すので、天井高があまり取れないこのお家ではベストな選択だったと思います。
お打ち合わせの段階では1歳のネコと聞いていたのでもっと小さいのかと思っていたのですが、お引越し後初めて会った時に大きくてびっくりしました。キャットウォークのサイズ感は大丈夫だろうかと心配でしたが、2匹とも気に入った様子で走り回っていると聞き安心しました。A様からも大満足とのお言葉をいただき嬉しく思います。
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担当者のレスポンスや提案力が強く印象に残っているというA様。
「途中から要望したことも多く、プランも何度も変更したので担当の方は大変だったと思います。でも要望するとすぐに考えてくれて提案をしてくれるんです。その返信がすごく早くて。夜にメールしてもすぐに返信が返ってくるのにはびっくりしましたね」と2人で声を揃えます。
また、施工中は何度も現場を訪れたA様ご夫婦は「造る工程を見られたことが安心につながった」といいます。
「こういう風に出来ているんだというのがわかったのはよかったです。配管など完成してからだとわからない部分も見ることができたので安心しました」と奥様。
旦那様も「配管や配線が見られると動線も考えやすく、キッチンや水回りの配置を考えるときに役に立ちました。途中途中で現場を見てあれこれ考えられたのはすごくよかったなと思います」と言葉を続けます。
夜お仕事終わりにご夫婦そろって現場を訪れた際に、担当者が職人への説明のために壁に描いた猫のイラストを見つけ、その絵のシュールさが面白かったという楽しいエピソードも飛び出し、お2人とも楽しんでリフォームされたご様子でした。