日本の伝統的な床材、畳。畳はかつて日本の住宅には欠かせないものでした。
しかし近年では欧米のライフスタイルが普及し、和室が全くないという住宅も増えてきました。リフォームでも、畳をなくして和室を洋室に変更したいというご要望が多くあります。
畳のお部屋はいるだけでとても気持ちがいいですよね。それは畳がお部屋を快適に保つための能力をたくさん持っているからなのです。
畳には保温性や調湿作用などがあり、四季によって温度や湿度も大きく変わる日本の気候に適した素材です。
それだけでなく、空気中の有害物質を減少させる空気清浄作用があったり、い草のあの香りには癒し効果や集中力を高める効果があります。
若い方のなかには畳を敬遠される方もいるかもしれません。しかし子育て世代にこそ、畳をおすすめしたいのです。
まず畳はフローリングに比べて柔らかいです。この柔らかさはハイハイしたり、歩きはじめの子にはぴったり。転んでもクッション性がある畳なら安心です。
柔らかい畳なら気軽に横になれるので、おむつを替えたりお昼寝をさせたりという時にも重宝します。ソファーやベッドと違って落ちたりする危険もないので安心して寝かせられますね。
また、吸音性もあるので、子どもが多少ドタバタしてもフローリングほどは響きません。
このように畳は子育てするうえでとても助けになってくれる床材なのです。
実際に畳を使ったお部屋のリフォームを5例ご紹介します。
床の間、障子、襖、天井板そして青々とした畳…私たちが「和室」と聞いてイメージするであろう、純和風の和室です。新しいい草の香りに満ちた室内は、他のお部屋とは少し違う、和室ならではの清廉な空気が漂います。
リビングの隣に和室をつくりました。畳は向きによって色味が変わって見えるため、縁なしの正方形の畳を90度ずつ向きを変えて敷くことで市松模様が浮かびあがりモダンな印象になります。時代ものの引き戸が、和室はもちろんリビングにも調和しお部屋の雰囲気を高めるのに一役買っています。
質実剛健をイメージしたという和室には、無垢の床や梁の味わい深い色味に合わせて黒の畳敷きました。「黒の畳」というとびっくりするかもしれませんが、墨汁を落としたような柔らかい黒色の畳なので尖りすぎもせず落ち着いた印象です。畳の周りを取り囲む本と相まって懐かしさに胸が締め付けられるようなノスタルジックさを放つ空間となりました。
こちらは一転白い畳を使った事例。「畳の部屋はつくるけれどリビングの続きのような感覚で開放的に使いたい」というお客様のご要望から、モダンなリビングとも親和性の高い白い畳を採用し、押入れや障子もクローゼットやカーテンに変更しました。リビングと和室を間仕切る壁を撤去し、代わりに4枚の上吊り引き戸を設置、隣の納戸に扉を全て引き込めるようにしたことで開放的な空間を実現しています。
最近は黒や白だけでなく、黄色や青、ピンク色など従来の畳のイメージとは一線を画すカラー畳も普及していますので他のお部屋とのコーディネートを楽しむこともできます。
縁なしの畳を使用することでデザインの幅はぐっと広がります。クロスをはじめ棚や小物の遊び心溢れるカラーコーディネートにより、障子や押入れは残しながらも畳の部屋でもここまでモダンな印象になりました。
ここまで読んでいただくと、畳に対する印象が変わったのではないでしょうか。居室を全て洋室にするのもいいですが、和室が一部屋あるとなにかと使い勝手がいいもの。畳なんて古いと決めつけず畳を使ったリフォーム、検討してはいかがでしょうか。
ご相談いただければお客様や他のお部屋にあった和室のプランを提案させていただきます。
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