6727万円
「最初は家ではなく倉庫を探していたんです」
そう語るのは築49年の一戸建てを購入しリノベーションを行ったI様ファミリーの奥様。
総面積200㎡超えの大空間を大胆にリノベーションした今回のリノベーションストーリーの始まりが倉庫探しで、元々は住み替えを検討していなかったというのだから驚きです。
I様はご自身が営む会社で使う倉庫の購入を検討していたものの、会社の近くでは条件に合う物件は見つかりませんでした。その過程で見つけたのが今のお住まいとなるこの建物でした。
「３階建ての建物の１階部分が倉庫として使えそうな物件でしたので、それであれば２階と３階をリノベーションしてそちらに移り住もうということになりました」
鉄筋コンクリート造５SLDKの建物をスケルトン状態にして間取りを一から検討する、トータル８ヶ月に及ぶリノベーションが幕を開けました。
最初にイメージが固まったのはお家の外観です。
I様邸の外観は黒い御影石調の外壁が格調高い和モダンなデザイン。リフォーム前は白い壁のシンプルな建物でしたが、ガラリと趣を変え旅館を彷彿させる落ち着きある面構えとなりました。
そして目を引くのは建物前面と側面に装飾された木のぬくもりを感じる縦格子。
「実は家の裏にお寺があって、窓からはお墓が見えるんです。だから目隠しになるように窓に格子を付けることを要望しました」
木目調の格子は視界をほどよく遮りながら光や風を通す機能性と、家の顔ともいえる外観の意匠性を高める役割を果たし、I様邸のアイコン的存在となっています。
しかし邸内に一歩足を踏み入れると外観からは想像もできない空間が広がっています。
どこを切り取ってもため息が漏れるような端正さをまとうI様邸のリビング。シックな色合いを基調としたモダンな空間はまるでショールームのようです。
家族が大部分の時間を過ごすというリビングは正面奥に広々としたアイランドキッチンとその右手に収納力抜群のパントリー、中央部にダイニング、そして手前にリビングスペースというゆったりとした構成です。
このLDK部分はリノベーションを進めるなかで思わぬアクシデントがあり途中でプラン変更を行ったといいます。
「壁を解体した際に、本当はないはずの鉄柱が壁の中から出てきたんです。どうやら前の住人がリフォームをした際に付けたものらしくて。それでキッチンの向きやテレビの位置などを変更することになりました」
壁の中から現れた鉄柱はタイルを張り、見せても美しい柱に仕上げました。テレビまわりの壁と同じタイルを張って仕上げたため統一感が感じられ、柱もデザインの一つとして風景に収まっています。
「柱部分にはコンセントもつけてもらいダイニングでも電気を取れるようになったので、今は柱もあってよかったなと思っています」
照明についてもI様のこだわりが随所に感じられます。
まずリビングダイニングにおいてひときわ華やかな存在感を放っているシャンデリア。天井を折り上げることで高さを確保しダイニングテーブルに着いた時でも動作に影響がないように配慮しました。
また、LDKの天井全体にコの字に配したライン照明も空間の洗練性を演出します。
「照明はオーデリックのショールームに行って決めました。最初はリビング全体にダウンライトを設置する方向でまとまっていたんですが、途中でトイレに行った主人が戻ってくるなりこのライン照明にしたいと言い出したんです。お客様用のトイレの照明がこういう照明だったらしく、それをみて「あれがいい！」って」
その他にもスピーカー内蔵のダウンライトやキッチン灯など複数の照明を組み合わせてリビングに必要な明るさを補い快適な空間を生み出しています。
バスルームは特に旦那様のこだわりが強かった部分です。
「父は最初お風呂を岩風呂にしたいと言っていたんです。でも岩風呂だなんて掃除が大変だからみんなで反対をしました」と笑うのは娘さま。
岩風呂は諦めたものの、「とにかく大きなお風呂が良い」という旦那様のご希望で設置したのはTOTO最大規格サイズのバスルーム。
複数人で入れるほど大きな浴槽には水流で身体をやさしく解きほぐしてくれる楽湯の機能が搭載され、シックで上品なデザインの浴室内を調光付きの間接照明がやわらかく照らすなど、至福のひとときを楽しめる環境が整っています。
また、洗面室も６帖ありとても広々とした造り。忙しい朝でも混み合わずに使えるように洗面ドレッサーはツインボウルを選びました。
こちらの洗面室はランドリールームを兼ねたユーティリティとなっていて、洗濯だけでなく干す、たたむ、アイロンまでをこの空間で完結できることも特徴です。
「お寺からお線香の匂いが漂ってくるので洗濯物は外に干せないんです。だからこのお部屋でお洗濯が全てできるように、ガス乾燥機や物干し用のアイアンバーの設置は最初から要望していました」
他にも洗濯物を畳んだり、アイロンがけをするための台を壁に造作。台は折り畳み式にして使うときにだけ出せるようにしました。
リノベーションを振り返り、大変だったことと楽しかったことをI様に伺うと同じ答えが返ってきました。
「決めることがとても多く大変でした。１つ決めるにも迷ってしまって。特に悩んだのは壁紙です。カタログの小さなサンプルではイメージが湧きづらかったので、ショールームに何度も通ったり、Instagramでクロスの品番を検索してその壁紙を使ったお部屋の写真を見ることでイメージをつかみました。でも大変だった分、その工程が一番楽しかったですね」
苦労しながらも選んだ壁紙はそれぞれ美しく調和しており、I様も「いい感じに仕上がってよかったです」と満足いくものだったようです。
壁紙だけでなく寝室には腰板を取り入れたり、床の色を２階と３階で変え、部分的に輸入タイルを取り入れたりと細部にまでこだわり１つ１つ丁寧に選び取ったことがI様邸を見ていると伝わってきます。
「家族みんなでショールームに行ったりと、全体を通して家族で決める場面も多かったので楽しい思い出になったと感じています。こうして自分たちで住むところを決めてリノベーションをするというのはなかなかあることではないので良い経験ができました」
邸宅と称するにふさわしい、品格を感じさせる端麗なお住まいが完成しました。
建物は１階は駐車場、２階３階に居住スペース、屋上という構成のRC造のビルで、I様は建物調査を行った当初よりフルリフォームをご希望されていました。
築49年ということもあり、かなりの手直しが必要な状態で改修には知識と経験知が試される工事でありました。I様も建築系の業務をされていたため、プレゼンパースを用いながら技術的な提案を行いご説明をすることで、ご理解をいただきご契約いただくことができました。
外装に関しては黒い石目調樹脂シートを割付け御影石風に仕上げ、そこにアクセントとして木目調の縦格子を付けることで風格あるデザインとなりました。RC造では、外壁面のひび割れクラックや屋上防水の劣化による漏水が懸念される事例も多く、今回も小規模ではありますがそれが確認されたため、全面的な防水工事を行うとともに、屋上階にあった受水槽を撤去、劣化していた配管類も全て交換をしました。
室内に関しては、プランニング後に鉄柱や梁の欠損が見つかりキッチンのレイアウト変更が生じましたが、結果的にLDKの使い方としては良い方向になったと思います。内装は高級感を意識し、イタリアンタイルを多用し、高級仕様の住宅設備機器を設置するなどして高級ホテルを思わせるような仕上がりに。
各居室スペースもご家族のご要望に沿って、仕上げ材を提案し施工。夫婦寝室はオープンクローゼットを設け、壁には大判のイタリアタイルを施工したり、木目調腰パネルを貼るなどし、高級スイートルームを構築しました。
I様には完工までお時間をいただきましたが、無事お引渡しまでできましたこと誠に感謝いたします。お嬢様にもクロス関係の色選びなどを担当いただきありがとうございました。
お電話やWeb、ご来社などお客様のご相談しやすいスタイルで、
お気軽にお問い合わせください。
ネットで見つけたリフォーム会社から３社に問い合わせたというI様。
その中から担当者の知識や提案力に惹かれ、朝日住宅リフォームに依頼されました。
「実際に担当の方にはいろいろとご提案をしてもらいました。ソファといった家具についてもご紹介をいただけたのもよかったですね。密にお会いできてしっかりと打合せができたので、要望がきちんと伝わり満足いくリノベーションができたと思います」